イラク人道復興支援のために戦うべし 2004年6月7日
イラク人道復興支援活動のために自衛隊が派遣されています。現地の自衛隊は爆発音を聞く度に基地内にこもって貝のように息をひそめて隠れている、などという不名誉な報道を見聞きしますが、これは誤報もしくは悪質な情報操作であるにちがいありません。一国の軍隊がまさかそのようなテイタラクである訳がないのです。ちゃんと鉄砲をしょわせて送り出してるんだから。

しかし、自衛隊が基地外で行っている人道復興支援活動の内容が「道路の補修、地元の人達へのサッカーボール贈呈など」である、とテレビでその様子が画像で紹介されるのを見るにつれ、旧軍からの伝統を引き継ぐ由緒ある戦闘集団が傭兵以下の屈辱的な情けない下っぱたらきをさせられている境遇に無念至極です。

今、一般のイラク人達が一番困っている問題を解決するべく、自衛隊には日本を代表して頑張ってもらいたいと期待が高まります。しかし、どうやら一番の問題はデコボコの道路でもサッカーボールの不足でもないようです。どうも「人道支援」の意味を誤解しているフシがあります。

アメリカ軍、イギリス軍による刑務所収容者に対する拷問が大きく報じられていますが、これは米英軍に殺害されている一般市民の人数に比べると相対的に被害者数も少なく、また以前からキューバのグァンタナモ・ベイ(Guantanamo Bay)にアメリカ政府が不法拘束しているアフガニスタン収容者に対しても拷問が日常的に行われている事実を考慮すると目新しい出来事でもありません。グァンタナモ・ベイにおける拷問が大問題に発展しなかったのは、「拷問をしている写真が公表されなかったから」という単純な理由によるものです。

この重大な人権蹂躙に対して日本政府が抗議を行ったという報道もされておらず、また、小泉純一郎がブッシュに「可哀想だから、そうゆうムゴイことをしてはいけません」と忠告した、という話も聞きませんので、米英軍ならびにその民間下請け会社従業員によるイラク人に対する拷問問題に関しては自衛隊が出る幕ではなさそうです。

さて、今現在イラクの人々が拷問されることよりも困っているのは、米英軍に殺され続けている、という切実な問題です。2004年6月7日現在で、米英軍の侵略戦争によって殺害されたイラク市民の総数は一万人前後であると推定されています。

尚、アメリカ軍は「殺した市民の人数は数えていない」と斬り捨てています。すなわち、「人数も分からない」ということは「誰を殺しているのかも把握していないし興味もない」ということで、平たく言えば、「見境無く殺す」という大量虐殺が米軍の一貫した方針であることを裏付けています。ま、ベトナム戦争やパナマ侵攻で同様の実績のあるアメリカ軍ですから、やることに年期の入っている確信犯ですね。

女性、子供、老人を含む一般市民を殺害することを「collateral damage:巻き添え被害」と言い換えて開き直る神経の軍隊に攻められ、占領され続ける側は大変な迷惑です。

この際、一般の善良なイラク市民を苦境から救出するべく、我が国の自衛隊にはサマワの基地から出撃して、アメリカ軍とイギリス軍を相手に交戦し、彼らをイラクから追い出してもらいたいと切望します。

一万人も殺されたイラク人民に代わってその報復をする、ということではなくて、これ以上殺させない、という真の人道的支援精神に基づいて立派に戦ってもらえるものだと確信しています。

先の大戦において、日本はイギリス軍に圧勝したものの、アメリカ軍には敗北を喫した経緯があるので油断は大敵です。

自衛隊員諸氏の武運長久を祈ります。

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